地域活動団体へのインタビュー (一社)泉北レモンの街ストーリー®
「泉北をレモンの街に」「レモンを泉北の特産品に」をめざして、泉北の街の様々な場所でのレモンの植樹や泉北レモンを使った特産品づくり等、レモンを介したコミュニケーションづくりに取り組んでいる、泉北レモンの街ストーリー® の代表の苅谷さんにプロジェクトのお話をお聞きしました。
泉北レモンの街ストーリー® のHPは以下をご覧ください。
話し手:
一般社団法人泉北レモンの街ストーリー 代表理事 苅谷 由佳 氏
聞き手:
SENBOKUスマートシティコンソーシアム
・南海電気鉄道㈱ 泉北事業部 日高
・西日本電信電話㈱ 堺市ICT推進室 伯耆
・堺市政策企画部 中川
聞き手:
泉北レモンの街ストーリー®はレモンをコンセプトに活動をされていますが、そもそもなぜ「レモン」なんですか?
苅谷氏:
私が住む泉北の家は、もともと泉北ニュータウンの開発時に両親が買った場所なんです。私も子どもの頃、何もない造成地を家族と見に来たのを覚えています。
両親は戦前生まれの人間で、戦時中には食べるものに苦労した経験があったので、庭には柿やいちじく、みかんにレモンやはっさくなど、様々な果樹を植えたんですね。今でもうちにはリビングの前に2本のレモンの木があって、毎年300個ほどの実がなっていますが、5月の花の時期には、一面甘い香りがして幸せをもらっています。
その後、私は家族の仕事の都合で全国の色々な場所に住んだのですが、18年前に泉北の家に帰ってきました。その時に久しぶりに触れた、泉北の空の広さと青さや緑道を本当に素晴らしいと思ったんです。
それから泉北に住み続けているんですが、帰ってきてすぐに、泉北には地方に住む友人や知人に渡せるお土産がないことに気づいたんです。泉北は瀬戸内式気候でレモンやみかんがよく育つんですが、私はレモンを泉北中に植えて、レモンを泉北の特産品にしたいと思うようになったんです。
聞き手:
そこからどのようにして団体を立ち上げられたんでしょうか?
苅谷氏:
2014年から、泉北ニュータウン地域の魅力を市民の力で発掘・発信していくことをめざす地域活動のプラットフォーム「泉北をつむぐまちとわたしプロジェクト」が始まって私も参加したんですが、その中で「泉北をレモンの街にしよう!レモンを泉北の特産品にしよう!」という企画を提案してみたところ、12名の方が賛同してくださいました。そこから、私も含めた13名の泉北在住の市民で活動をスタートしました。
聞き手:
では、具体的にはどのような活動をされているんでしょうか?
苅谷氏:
活動のコンセプトは3つです。
1つ目は泉北の街のあちこちでレモンを見ることができる風景づくり。泉北の個人宅や会社・施設・公共空間等へのレモンの植樹や鉢植え設置を行うことで、泉北レモンを介した市民のコミュニケーションやネットワークづくりを行っています。
2つめは泉北レモンを泉北の特産品にすること。泉北の遊閑地にレモンを植樹・栽培して、マーマレード・フロマージュやはちみつ、クラフトコーラ等の加工品を作り、泉北を中心としたカフェなど店舗で販売しています。
3つ目は泉北レモンフェスタを開催すること。年に一度、レモンの苗木販売や育て方セミナー、泉北レモンを活用したワークショップ、加工品の販売等をしています。今ではいずみがおか広場で開催していますが、毎年様々な世代の市民の方がたくさん遊びに来てくださっています。
聞き手:
これまで、泉北レモンの活動はどれくらいの広がりを見せているんでしょうか?
苅谷氏:
活動当初から、通しナンバーのふられた「泉北レモンの街ストーリープレート」(500円)を活動の資金にしていますが、新しく苗木を植えられた方にお渡ししたプレートが1,800を超えました。泉ヶ丘駅前の敷地や高島屋、フォレストガーデン、原山公園、府公社の茶山台団地等、様々な公共空間や商業施設等でも泉北レモンを植えてもらっています。
実は私は農家としての顔も持っていまして、泉北の村落エリアに200本の泉北レモンも植えているんですよ。
聞き手:
本当に幅広く植えておられるんですね。聞いたところでは、他には泉北の郵便局でも植えておられるとか。
苅谷氏:
泉北郵便局にも現在25本植えて頂いていますし、そのほかにも南区を中心に郵便局には約2本ずつレモンの木を植えて頂いています。また昨年、300シートの泉北レモンの街ストーリー®のオリジナルフレーム切手も作って頂き、販売してもらいました。
聞き手:
切手にまでなるなんて、本当に地域に根ざした取組になっていることがよくわかるエピソードですね。
苅谷氏:
本当にいろんな方に関わって頂き、地域で段々広がっていることをうれしく思っています。最近では泉ヶ丘駅前の「つながる食堂」でも、月に1回、メンバーが泉北レモンを使った食事やお酒を提供しているんです。
メンバーには色んな分野の専門性や特技を持った人がいるんですが、それぞれが自分がやりたいことをこの活動を通じてやってくれています。多彩な人が集まって活動が今の形になっていることにものすごく感謝しています。
聞き手:
まさに泉北の人やモノがレモンを軸につながり、広がっている感じですね。
苅谷氏:
私はこの活動に関わってくださっている方に、「泉北レモンに関わって人生が豊かになったし、良かった!」と思っていただきたいんですよね。レモンは料理でも色んな使い方ができますし、好きな方も多いので、まだまだ広がる可能性はすごくあると思っています。
聞き手:
今日はありがとうございました。ますますの展開が楽しみですね。これからも泉北レモンの街に向けた幅広い取組を期待しています。
ヘルスケア
WG